10月も半ばになり、ようやく秋らしい気候になってまいりましたが、
皆さん いかがお過ごしでしょうか?
今回は、秋のファッションを考える上で ぜひ押さえておきたい『 艶(つや)』について書きたいと思います。
艶とは、光が当たることで奥底で静かに輝き、立体感や高級感を演出するものだと考えています。
キラキラとかテカテカとは、別物だと思います。
それでは、洋服に艶を出すにはどんな方法があるのでしょうか?
1.細い繊維の生地を使用
生地は繊維が細ければ細いほど、艶が生まれます。
スーツを着る人ならご存じかと思いますが、
生地ネームに繊維の細さを表記(super130’sなど)して、
いかに光沢のある高級スーツであるかを示しています。
2.生地繊維の構造
主にシルクについてですが、生糸の繊維部分が三角形になっており、
この形がプリズムのように入ってきた光を反射・拡散することにより、
あの独特な艶が生まれています。
3.生地の織り方
表面に艶のある生地の代表格といえば、ネクタイなどに使われるサテン生地。
サテン(朱子織り)は、タテ糸・ヨコ糸のどちらかが表面に長く浮いているという構造で、
交差する点が極端に少なく、他の織り物にはない上品な艶を持っています。
4.生地の加工方法
冬に人気の艶素材であるベロア生地は「ベロア加工」と呼ばれる加工法で作られています。
パイルをカットすることで立ち毛にして、カット表面が光沢を放つのが特徴です。
また、英国生まれのBarbour(バブアー)のオイルドジャケットに代表されるような「オイルド加工」は、
生地の表面に油を塗り込み、表面に光沢や防水性や保温性をもたせる方法です。
5.お手入れ
靴磨きをして、靴に艶を出す方は多いと思いますが、スーツやコートやセーターも同じです。
こまめにブラッシングすることで、余分な繊維を取り除き、繊維の毛並みを同じ方向に整えるので、
滑らかになり艶がよみがえります。
スーツや厚手のウールコートなどにはコシのある豚毛のブラシ、
カシミアや薄手のセーターなどには繊細な馬毛のブラシが良いそうですよ。
とりあえず、今回は、天然素材の地艶(じづや)中心に書かせていただきました。
科学繊維や近代的な加工方法については、あまり詳しくありませんのであしからず・・・
さあ、皆さんも艶のある秋をお楽しみください!