最近、パンツのウエストがキツくなってきたので、
意を決してダイエットをしております。
そんな私を誘惑するかのように気候が涼しくなり、
食欲の秋がやってきました。
いっそウエストにゴムの入ったイージーパンツを履けばいいのですが、
それでは和製英国紳士?を目指す私のポリシーに反します。
元来、英国は仕立て文化なので、スーツもシャツも靴も自分にピッタリのサイズで作り、
体形を維持し、時には少し補正し、モノによっては20年30年と愛用します。
逆にアメリカのようなファッションに対しても合理的な考え方をする国では、
同じ型のものをなるべく多くの人が着られるようにしようという生産背景が影響し、
あらゆるものがゆったり作られる傾向があります。
アメリカンスタイルのスーツもあまりウエストを絞ったりしません。
つまり既製服・量産品の文化です。
ちなみにみなさんがお持ちのシャツの中に袖ボタンが2つ並んで付いているものはありませんか?
これはアジャスターボタンと呼ばれ、手首のサイズに合わせて好きな方を留めるものです。
まさに合理的な考えに基づく既製服ならではのディテールです。
当店のシャツは、既製服です。(袖丈補正はできます。)
しかしながら、英国スタイルのシャツ屋としては、アジャスターボタンは採用しておりません。
じゃあ、手首のサイズ感は犠牲にしているのか!?
とお怒りのあなた、ご安心ください。
当店のシャツの袖は、カーブドカフス(別名:円錐カフス)といって、
広げるとカーブを描く形状の手首に沿うカフスです。
着ていただくと袖ボタンを中心にカフスが回り、先に行くにしたがって細まった円錐の様な形状になります。
結果、シャツの袖が手首より下に落ちにくいという仕様です。
やはり手のひらの方まで袖が落ちてるのはだらしなく見えます。
そしてジャケットとのバランスも悪くなります。
「英国紳士は、袖口のハーフインチに命を懸ける」と聞いたことがあります。
少々大げさな言いまわしですが、要するにジャケットからシャツがハーフインチ(約1.27cm)出ているのが格好いいということみたいです。
いかがだったでしょうか?
たかが袖口されど袖口、それぞれの言い分も美学もあるということですね。
あなたもカーブドカフスのシャツを着て一緒に和製英国紳士への道を歩みませんか・・・。