今回は、近年、再び脚光を浴びているラウンドカラーシャツについて少し掘り下げて書いてみますね。
ドレスシャツの襟型の内、襟の先が丸くなっているものを、ラウンドカラーシャツと言います。
1900年以前から英国貴族が愛用してきた伝統的な襟型のドレスシャツです。
英国の超名門パブリックスクールのイートン校の制服もラウンドカラーです。
※ イートン校に通う 若かりし頃のヘンリー王子
ここまで聞くと、伝統と格式の由緒正しいドレスシャツという印象ですが、
1910年代の英国ギャングを題材としたBBCドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』では、
ギャングたちが、好んでラウンドカラーシャツを着ています。
そして、そのすぐ後、メンズファッション界にとって最も重要な1920年代がやって来ます。
イギリス・ロンドンでは、紳士たちの間でラウンドカラーシャツが大流行します。
時を同じくして、好景気時代のアメリカでもラウンドカラーシャツが、華やかなメンズスタイルに一役かっています。
※ 『華麗なるギャツビー』のロバート・レッドフォード氏
やはり、ラウンドカラーシャツは、アッパークラスのものなのか!?
否!1960年代後半には、伝説のパンクバンド セックスピストルズのボーカル、
ジョニー・ロットンも着ています。
伝統や格式に対するアンチテーゼなのかも知れませんが・・・
※ ジョニー・ロットン氏
さらに、時は流れ、1980年代のアメリカンブリティッシュの
ニューヨークスタイルにもラウンドカラーシャツは登場します。
これまでのスーツスタイルにプラスアルファすることで、こんなにもオシャレになるんだと気づかせる存在ですね。
※ 1980年代ニューヨークが舞台の『ゴッドファーザー3』のジョージ・ハミルトン氏
そして、クラッシク回帰ブームの現代、
ジャケパン一辺倒だったピッティ・ウオモなどでも、スーツスタイルが見直され、
ラウンドカラーシャツを取り入れる人をしばしば見かけます。
いかがだったでしょうか?
トラディショナルに軸足を置きながらも、時とともに少しずつ立ち位置を変えるファッション。
時代と国境と人種、全てにおいてボーダレスなファッション。
きっとあなたにもフィットします。ぜひお試しください。