今回は、この季節ジャケットを脱いでも 着ていると様になる
『ベスト』についておさらいしたいと思います。
ベストは元々、タブレットと呼ばれる15世紀後半から17世紀半ばまでのヨーロッパの男性用上着だったそうです。
袖もありますねぇ。
その後、袖が無くなります。
そしてその上に上着を着るようになったので、
現在のような上着と下着の間の”中衣”という位置づけになりました。
映画「チャイナタウン」(1974)の ジャック・ニコルソン氏
この袖の無いベストは、フランスではジレ(gilet)、
イギリスではウェストコート(Waistcoat)とも呼ばれるようになり、
現在ではほぼ同じ意味で使われています。
チョッキも同じ意味ですが、明治期に定着した日本独自の呼び方で、
「ジャケット」が訛ったという説と「直着」が訛ったという説があります。
余談ですが、フランスの画家セザンヌはこの絵に
「Le garçon au gilet rouge」(赤いジレを着た少年)という題をつけていますが、
日本では、「赤いチョッキの少年」と訳されています。
あと、オッドベストという言葉もよく耳にしますね。
これは、替えベストや単体のベストを指すときに用いられる言葉です。
上の写真のような3ピーススーツの場合、
ジャケット・パンツ・ベストが全て同じ生地で作られています。
これは、オッドベストではありません。
この写真のようにジャケット・パンツとは別の生地で作ったベストをオッドベストと言います。
遊び心やカジュアル感を訴求できますが、逆にフォーマルにもしばしば用いられます。
※ デザイナーのトム・フォード氏 と 俳優のベネディクト・カンバーバッチ氏
いかがだったでしょうか?
ベストはお国柄や用途によって名前が変わるのでややこしいですが、
様々なシーンで活躍する頼もしい存在ですね。
みなさんもベストライフをお楽しみください。