何を隠そう私はイチロー世代です。
イチローさんは、
「どうすれば野球が上手になるのか?」と問われたら、
「道具を大切にしてください。」と答えます。
物に対するこだわりを持ちましょう。
物を大切にする姿勢で取り組みましょう。
ということをおっしゃりたいのだと思います。
ファッションも同じだと思います。
みなさんにもこだわりを持ってお使いの大切な『一生もの』はおありでしょうか?
私の『一生もの』は、このGジャンです。
Wranglerの11MJZという名品で、学生の頃、お金を貯めて古着屋さんで買った『一生もの』です。
他人から見ればそんな思い出はどうでもいいし、ただのGジャンですが、
それを着た私の気持ちは上がっているし、いいかげんなコーディネートはしません。
例えば、刑事コロンボの『一生もの』? 着古したレインコートのかっこよさは、
物に対する愛着からにじみ出るものだと思います。
ウッディ・アレンのコーデュロイパンツしかりです。
ショップの店員さんの売り文句で
「こちらいいですよね。一生ものですよ。」というのを聞いたりしますが、
それは多分、流行りすたりがないですよ~とか、長持ちしますよ~という意味で言っているのだと思います。
私の『一生もの』解釈は少し違うので、う~ん・・・となってしまいます。
お店側に期待するのは、お客様が『一生もの』だと決めたものをフォローする体制です。
京都の老舗の帆布かばん店 一澤信三郎帆布では、
どんなにボロボロになっても修理やリメイクに対応してくれます。
それは、使う人のこだわりや思い入れを理解しているからに他なりません。
また、ロイヤル・ワラント(英国王室御用達)の称号を持ち、
世界最高峰の靴と讃えられるジョン・ロブは、こう言っています。
「真の価値は一生履き続けられる靴にある。
時代を超越した友として人生の旅路に寄り添い、共に歩んでいきます。」
チャールズ皇太子は、ジョン・ロブの靴をなんと23歳の時から40年近くも履き続けているそうです。
よく見ると至る所に無数の補修用パッチが当てられています。
スーツも継ぎはぎがありますね。
このスタイルは、着る者の愛と売り手のフォロー体制の成せる業ですね。
それでは、ドレスシャツ専門店ウィンザーノットがやるべきことは何なのか?
それは、お客様に愛されるドレスシャツを作り、
同じ型、同じ品質のドレスシャツを提供し続けることなのではないでしょうか?
いつの日にかそれを実現し、人生の旅路に寄り添う店になりたいです。
そして 夢のまた夢かもしれませんが、
チャールズ皇太子がウィンザーノットのドレスシャツに袖を通してくださったら、
Gジャンを着てお礼に参りたいと存じます。