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ラペルは口ほどにものを言う

2023.07.14

四方山話洋服について

 

最近、遅ればせながら録りためていたドラマ『ラストマン-全盲の捜査官-』を見ています。

全盲のFBI捜査官(福山雅治)と日本の刑事(大泉洋)が次々と事件を解決していくバディもので、

ハラハラドキドキといつも楽しく拝見しています。

 

ラストマンー全盲の捜査官ー

 

しかし職業病といいますか、すぐに気になった点があります。

それは、福山雅治さんのスーツ。

 

福山雅治のスーツ

 

大泉洋さんはじめ日本の刑事の方々は、シングルの典型的なビジネススーツですが、

福山雅治さんはダブルのスーツです。

 

日本の刑事のスーツ

 

これが単なるダブルスーツだったらそこまで気にならないんですが、

ラペル(ジャケットの下襟)の仕様がノッチドラペルです。

 

福山雅治のラペル

 

ラペルの仕様は色々とありますが、大多数がノッチドラペルピークドラペルです。

ちなみにノッチは『V字型の切り込み』という意味で、ピークは『尖った部分』という意味です。

 

そしてご覧のように、シングルスーツならノッチドラペル

ダブルスーツならピークドラペルが一般的な仕様です。

なので、福山雅治さんのスーツのようにダブルスーツなのにノッチドラペルだと、

「おっ」と思ってしまいます。

 

ノッチドラペル

ピークドラペル

 

シングルスーツの起源は、19世紀イギリスの貴族の執務服や平服だと言われています。

ボタンが少ないのも、着換えやすく動きやすいことにポイントがありそうです。

刑事という職業柄を考えるとやはりシングルスーツの方が適しているのかなと思います。

 

ダブルスーツの起源は、軍士官のコートや乗馬用の服装なので、より重厚で格式高く、防寒効果もある仕様です。

 

19世紀イギリス乗馬

 

福山雅治さん演じるFBI特別捜査官は、ステータスもスキルも高いが偉そうにすることなく、

実は人間らしく優しい一面があり、なおかつ少し変わり者という人物像です。

おそらく、スタイリストさんは、ステータスとスキルをダブルスーツで表現し、

ノッチドラペルで優しさを表現したかったのでは?と個人的には思います。

 

ラストマン

 

そしてよく見ると、本来前ボタンが2列あるはずのダブルのスーツですが、

ボタンは1つしか見当たりません。

これは、完全に変わり者です。

 

ちなみにこのスーツのブランドは、PRADAだそうです。

人物像にお金持ちというのを追加しておきますね。

それではまた。