さて今年もようやく肌寒い冬が来て、ネクタイをすることも増えてきました。
もちろんネクタイにも流行がありますが、毎年見かけるのはペイズリー柄です。
個人的には大好きで、ブリティッシュスタイルによく合わせます。
ではなぜ、ペイズリー柄がブリティッシュなクラシックスタイルに合うのでしょうか?
ペイズリーの柄だけをまじまじと見ると、ゾウリムシや勾玉(まがたま)のような形で、
ブリティッシュ感はなく、むしろアジアンテイストを感じます。
それもそのはず、ペイズリー柄の起源は諸説ありますが、
ペルシャ文化の影響を受けたペルシャやイランやインドで多く用いられ、
18世紀中頃に、植民地であったインドからイギリスに伝わった説が有力です。
ではなぜ、ペルシャ柄とかではなくペイズリー柄というのか?
それは、織物で有名な町であるスコットランドのペイズリーで、
初めて機械でペイズリー柄のシヨールを織ることに成功し、
大量生産できるようになり、少しずつ世界中に広まり、
ついにはその柄に町の名前が付いたということだそうです。
ヴィクトリア女王もペイズリー柄のショールを愛用したということもあって、
一気にアジアンテイストに高級感とブリティッシュ感が加わってきたのかと思われます。
余談ですが、イギリスの名門サッカークラブ、マンチェスターシティのユニフォームにペイズリー柄があしらわれたこともあります。
やはり、ペイズリー柄はイギリスの伝統と捉えられているようです。
そういう歴史的背景もあって、ペイズリーのネクタイはブリティッシュスタイルに合うんだと思います。
個人的には独特なデザインなので、意外とどんなスーツやドレスシャツにも合うし、
ダブルのスーツのように狭いVゾーンでも存在感抜群というのもブリティッシュスタイルに合わせやすい理由だと思っています。
アメリカンなタイドアップスタイルなら、やはりレジメンタルタイやクレストタイの方が定番ですね。
アメリカでペイズリーと言ったら、
タイドアップスタイルよりヒッピースタイルやカウボーイスタイルの方を連想します。
そう考えると、ペイズリー柄は伝わった時代や土地柄で、
全く違ったテイストを醸し出す不思議な力を持っている柄だなぁとも思います。
やはり、ペイズリーの正体は、不思議な力を持つと言われている勾玉?
いや、形を変え、分裂し、生命力が強いゾウリムシかも知れません。