インスタグラムのフォロワーさんで、よくコメントを頂くだけでなく、
骨董品とも言うべきシューストレッチャーをお譲りくださったOさんという方がいらっしゃいます。
大変ありがたいです。
そのOさんが先日、「広告か何かに使って下さい」と年代物のツイードのスーツを送って下さいました。
感激です!ありがとうございます!大切に使わせていただきます!
80才の会長が一目見て「懐かしい~」と言っていたので、今やお目にかかれない相当な代物だと思います。
そもそもツイードとは、スコットランド発祥の羊毛で作られた生地で、
漁師さん達が雨風をしのぐために使われていた作業着がルーツと言われています。
それが時代とともにその素材感が注目され、ジャケットやコートに使われるようになり、
英国クラシックな秋冬素材の代表になりました。
近年では、英国回帰のファッショントレンドに乗り、
カジュアルファッションやレディースファッションとしても非常にポピュラーな素材です。
みなさんも、ハリスツイードのマークをどこかで見かけたことがあるかもしれません。
それほどツイードが身近な存在になったということでしょう。
しかし、それをもう一度考えさせられる、白洲次郎氏の有名な言葉があります。
「ツイードなんてぇのは、手に入れてからすぐに着るもんじゃない、
3年ぐらい軒下に吊るして雨ざらしにして、くたびれた頃に着るもんだ。」
白洲次郎氏といえば、戦後の総理大臣吉田茂氏の側近で、
英国ケンブリッジ大学に留学し本場の紳士道を学んだ洒落者です。
ジーンズを初めてはいた日本人とも言われるお方です。
そんなお方の言葉にはやはり含蓄があります。
ツイードは丈夫で硬い生地だから、自然に馴染ませてから着なさいということなんでしょうか?
でも裏を返せば、こうも受け取れます。
ツイードのつまみ食いで、クラシック感やヴィンテージ感を取り入れた気になって
チャラチャラしてんじゃねーよ!
いや考えすぎか・・・
と首をひねりながら、YouTubeを流し見していたら、
お笑い芸人 さらば青春の光の森田さんが、
所ジョージさんの世田谷ベースに行ってこんなことを言われていました。
「ミリタリージャケットとかは、自分でワッペン付けたりした後、
雨ざらしで吊るしたり排水溝の近くに置いといて、3年位経ってから着るんだよ。」
えっ!?白洲次郎氏とおんなじだ・・・。
何となく腑に落ちた気がしました。
白洲次郎氏の人となりはよく分かりませんが、所ジョージさんがお洒落なのは分かります。
しかもスゴく自然体ですよね。
いかに自然に着るかがファッションの極意なんですね。
白洲次郎氏、所ジョージさん、そしてOさん。
諸先輩方の域にはまだまだ及びませんが、服を自然に着るということを肝に銘じて、
これからもファッションを楽しんでいきたいと思います。