気候が良くなり、新緑がきれいな季節になりましたね。
この時期にシャツを新調される方も多いかと思います。
最近はノーアイロンのシャツを各メーカーがこぞって販売しています。
ノーアイロンのシャツはポリエステルなどの合成繊維です。
当店のシャツの素材は基本的に綿100%なので、
イージーアイロンはあれど、ノーアイロンのシャツはありません。
綿100%の天然素材のシャツとノーアイロンの合成繊維シャツ。
これは、どちらが良いという話ではなく、どちらにも長所と短所があります。
ざっくり言うとこんな感じです。
【綿100%のシャツ】
<長所>
・着心地が良い
・クラシックである
<短所>
・シワになりやすい
・汚れやすい
【ノーアイロンのシャツ】
<長所>
・アイロンがけ不要
・伸縮性がある
<短所>
・肌触りが悪い
・環境への負担がある
ですから、ご自身のライフスタイルに合わせてお好きな方を着てもらえばいいと思います。
ただ、綿100%派の私から せんえつながら一言だけみなさんにアドバイスをさせてください。
当然ですが、ノーアイロンシャツの宣伝広告は、
全てにおいてノーアイロンシャツの方が優れているような言い方をしていますが、そんなことはありません。
ノーアイロンシャツの着心地に関しては、
合成繊維がどうにか綿100%の肌触りに近づけるように日夜努力してきた現在地にすぎません。
伸縮性があることを、汗が早く乾くことを、あたかもそれが着心地の良さであるかのように、
生地拡大のイラストや具体的な数値を並べて説明していますが、そこは誤解なさらないでください。
あと、ライフスタイルによって優先するポイントは変わります。
ノーアイロンシャツは、お洗濯が簡単なので家事負担が軽減され、
クリーニング代がいらないので家計にもうれしい・・・という売り文句ですが、
私は自分のお小遣いの中からクリーニング代を捻出しますし、
オックスのシャツやリネンのシャツなどクリーニングに出したくないシャツに関しては、
自分で洗濯し自分でアイロンをかけます。
一応、家事にも家計にもあまり負担はかけてないつもりです。
そもそも、私は自分の着るものを自分で手入れすることを決して負担などとは思っていません。
むしろ楽しいし、それこそがジェントルマンのたしなみだとも思っています。
靴磨きと同じような感覚です。
お気に入りの靴磨き道具をそろえ、納得いくまで磨きます。
あえて全体をピカピカにしないでおこうとか、今回はブラッシングだけにしようとか考えるのも楽しいもんです。
服装にこだわるならそのお手入れにもこだわりを持ちたいと思っています。
つまり、私のライフスタイルだとノーアイロンのシャツを着る理由がありません。
少し話がそれましたが、ノーアイロンシャツも大変素晴らしい商品だと思いますし、
何に価値を見出すかは人それぞれです。
それだけに、みなさんには正しい選球眼を持っていただきたいと思うばかりです。